インタビュー「プログラミング✕学校教育」

新たな教養としてプログラミングを学ぼうという機運が広がり始めている現在、学校でのプログラミング教育の現状と今後について、国立大学法人上越教育大学 情報メディア教育支援センター 大森康正准教授に聞いた。

ーー学校でのプログラミング教育の現状は?ーー

正式には中学校では「技術家庭科」で、高等学校では「情報の科学」の科目中でのみ扱っているのが現状です。 中学校の技術家庭科では、扱う分野は計測制御だけなので、学校用教材を使ったライントレースですとか、工作で作った電気スタンドにセンサーを取り付け暗くなったら自動で光る制御するなど独自に創意工夫した取り組みをする学校が増えてきています。

 ただ最近は小学校などでも教科の中での活用事例も少しづつ増えてきていますね。 例えば図画工作の教科の中で紙粘土工作でお寿司を作る。だけどそこで終わらずに回転寿司屋さんにする。コースマップを回転寿司のレーンに見立て、センサーカーを制御して動かすという活動等の実践例も出てきています。

 教員向けには文部科学省が今年の3月には小中高でのプログラミング教育を推進するための「プログラミング教育実践ガイド」という事例集を出しました。

ーー今後はどのようになっていくでしょうか?ーー

中学校はこのまま続くだろうと思いますし、高校も情報の科学でプログラミングを入れていきたと思っている先生が増えてきていますし、学校としてもこれからはプログラミング教育入れなくてはいけないという流れができつつあります。その中ではJAVAとか数学的対象物を使った活動などが今後増えていきそうですね。 小学校が広まるかはまだわからない、今後の人材育成次第かなと思います。

ただし、国の教育再生実行会議が今年の5月にまとめた第7次提言では情報セキュリティとプログラミングを初等教育で実践という提言がでてきています。IoTやAIなどの影響もあり社会状況の革新的変化の中で、これからの時代を見据えた教育内容の革新ですね。 それを受けて、これから文部科学省の中央教育審議会でもまれていく予定です。

また政府のIT総合戦略本部のプログラミングの人材育成に関する閣議決定の工程表でも創造的IT人材育成方針の概要というところで、現在のITの利活用という枠から出て高度な人材育成に繋げたいので、中学校の中にプログラミング部を作り高度な情報人材を高等教育などにつなげていきたいという考えも示されています。

加えて総務省が先週出した調査研究報告書でも、プログラミング教育は,国立教育学研究所が整理した21世紀型能力で示されている能力のうち,一定範囲をカバーしていることが確かめられています。

ーーこれからプログラミングを学び始める子どもたちへのアドバイスは?ーー

とにかくプログラミングをやる!ということ。

とにかくチャレンジをしてどんどんやるといいでしょう。そうすればプログラミングが面白くなる。プログラミングの楽しさは、自分で色んなものをつくれて問題解決ができるということでしょうか。自分で新しいものが作れる。

与えられたもので遊んだり、学んだりする段階の次のステージ。そうするとプログラミングは自分で思うような物を作れるようになる。これがが楽しいですし、実は何よりそれがこれからの社会で求められている力でもあるんです。問題を解決するための新たな創造ですね。

これはプログラミングやデジタルの物づくりにも共通している。 これからはプログラミングだけでなくデジタルファブリケーションも含めたものづくりは特に面白いですね。

ガンダムもつくれるかもしれない(笑)

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